ロシア料理のボルシチの赤さを出すのに使われるのがビーツという野菜です。 ほうれん草やてんさい(甜菜糖の原料)と同じ仲間で、外形がカブに似ていますが、別の種類です。 ビーツは、年に2度 6~7月と11~12月に収穫されるので、まさにこれからが旬、おいしい季節となります。「飲む輸血」とか「奇跡の野菜」の別名があるビーツですが、真っ赤な色が血の色に似ているからだけでけではなく、栄養が豊富だからです。 栄養と効能 他の野菜と比べて多いのが カリウム(420mg/100g中)、葉酸(110mcg/100g中)食物繊維(2.9g/100g中)。出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂) 注目する栄養素はベタシアニン。 カリウム 余分なナトリウムを排出させて体内の塩分を調整する働きがあり、高血圧予防、むくみ解消に効果が期待できます。 葉酸 葉酸はビタミンの一種で、様々な栄養素の働きをを助けます。赤血球を作り出し造血したり、アミノ酸(タンパク質)の合成に働きかけて細胞の生成を助け、粘膜の強化に作用したりします。 ベタシアニン 真っ赤な色の素でポリフェノールの一種で強い抗酸化作用がありますから、動脈硬化の予防や老化防止、アンチエイジング効果、がんの抑制効果が期待できます。 食物繊維 ビーツには天然のオリゴ糖も含まれているので、食物繊維とともに腸内の善玉菌の餌になり、善玉菌を増やします。悪玉菌の働きを抑制して体の老廃物を排出する効果も期待できるますから、便秘解消になります。 更に「ビートジュースは栄養豊富な飲み物だが、筋肉の血流量を増加したり練習中に血管を拡張させる効果はなく、むしろ休憩中の心臓への負荷を軽くしたり、血管を丈夫にする働きを持つ」というペンシルベニア大学からの報告があります。 Physiology、Nutrition and Metabolism、2015、40(2)122-128これからもわかる通り、ビートに多く含まれる硝酸塩(N)は、体内で一酸化窒素(NO)に変換され、血管を強くしてくれるので、動脈硬化や心臓の病気、ひいては脳卒中や脳梗塞の予防が期待できます。 他にも鉄、リンやナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ビタミンA、C、Eもたくさん含まれていますから、飲む血液と言われる理由も納得いきますね。