日本のローカルはいま、デザインでどんどんおもしろくなっている。2015年に現代美術界でも権威あるターナー賞を受賞した若き建築家集団、アセンブルが、日本で初めてのプロジェクトを始めると聞き、そのリサーチに同行。ソーシャルな創造力を刺激した、徳島のクラフトやデザインスポットを見てみよう。2015年、現代美術の重要な賞のひとつ、ターナー賞を建築家集団が受賞して話題を集めた。彼らの名はアセンブル。ターナー賞が初めて建築家に賞を与え、受賞時には全員が20代という十数名の若い共同体。それは社会に新しい価値観を持ち込んだ彼らへの、アート界からの熱い眼差しだったのかもしれない。現在15人のメンバーからなるアセンブル。大学卒業後に設計事務所などで働いていた彼らは、SNSを通じて自発的なプロジェクトを始めたことが結成のきっかけだった。初めて形になったプロジェクトでは、廃業が続くガソリンスタンドの跡地をポップアップの映画館に作り変えた。入手の簡単な建材を使用し、ボランティアとともに上映プログラムまで自作。受賞の決め手となったのも、リバプールの荒廃化した地域を市民とともに再生する事業だ。